米原市醒井は中山道61番目の宿場の「醒井宿」があった地域で、古来より交通の要の地点として栄えていました。当時より醒井宿付近の湧水は豊富で、日本書紀や古事記にも記されているほどです。現在では居醒の清水と呼ばれています。
古代日本の皇族「ヤマトタケル」が伊吹山の大蛇を退治する際、猛毒を受けてしまい命からがら醒井の地まで下山されました。(現代の常識で考えるとかなりの距離ですが…。)そこで醒井の湧水で体を冷やすと、たちまち体の調子も良くなったという伝承も残っています。この伝承から醒井の湧水は「居醒の清水」と呼ばれるようになりました。
居醒の清水は現在でも1日1.5万tもの水が湧き出ています。水質の良さは有名で、きれいな水じゃないと生息できない梅花藻やハリヨが生息しています。
梅花藻についてはこちら。
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居醒の清水へのアクセス
居醒の清水は醒井の賀茂神社の石垣の下から湧き出ています。
最寄り駅は JR 醒ヶ井駅で、国道21号線を渡り突き当りを左へ。徒歩約9分ほどの距離にあります。
駐車場について
特別に用意された駐車場はありませんが、居醒の清水へ向かう途中に観光客用無料駐車場があります。ただし梅花藻最盛期の7月下旬から8月中旬は有料になる場合もあります。
水汲みができる場所
居醒の清水の水汲みができる場所が用意されています。それは醒井延命地蔵尊の脇にあります。上の写真の地蔵川をかける橋を渡り左側へ行きます。
石段があり、川の脇まで降りられるようになっています。
湧き出る水は夏でもひんやりと冷たく12℃から14℃程度で、長く手を付けていられないほどです。
水汲み場の脇には柄杓が置いてありました。
清らかで澄みきった居醒の清水は地蔵川沿いの商業の発展にも貢献してきました。例えば、醒井で醤油の製造販売を行っている醤油屋喜代治商店のヤマキ醤油は有名です。居醒の清水の水を利用して風味豊かな醤油を製造されています。
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居醒の清水は飲めるの?
居醒の清水の源泉はそのままでは飲めないようです。飲むためには煮沸が必要です。
水質検査結果が米原市の公式サイトに載っていました。
他の場所でも水汲みができる
実は JR 醒ヶ井駅に併設されている醒井水の宿駅で、居醒の清水の水汲みができます。源泉はそのまま飲めませんが、ここの水は処理してあるのでそのまま飲めます。
おわりに
醒井の地蔵川の源泉となる居醒の清水は、梅花藻が生息し夏には川に白い花が点々と咲きます。その光景はとても美しく、多くの観光客が醒井を訪れます。宿場町醒井を是非訪れてみてください。