米原市醒井の湧き水群の一つ「西行水」は古来より西行法師に纏わる伝説が残る湧き水です。醒井宿の中山道沿いにありますが、梅花藻が見られる場所から離れており醒井の名水として知られる「居醒の清水」の方が知名度が高いです。
しかし、水が湧き出ている場所のロケーションや神秘さは居醒の清水に勝ります。歩いて行けますのでちょっと足を運んで西行水を訪れてみてください。
西行水へのアクセス
西行水は梅花藻が見られる地蔵川からやや離れ、外れた場所にあります。丘の上にはすぐそこに名神高速道路が通っています。
JR 醒ヶ井駅前交差点を南へ行き、突き当りを左折します。すぐ近くのT字路は右折し、その先のT字路を左折します。すると右側に西行水があります。
駐車場について
中山道沿いに醒井観光客用無料駐車場があります。ここから歩いて3分程度です。
西行法師の伝説とは
平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて生きた僧侶、歌人である西行法師が東国(関東の方)へ旅をしている途中、醒井にあった茶屋でお茶を飲んだそうです。西行法師が茶屋を去り飲み残されたお茶の泡を茶店の娘が飲んだ所、何故か妊娠し男児を出産しました。
西行法師が帰りに再び同じ茶店に立ち寄り、この話を聞くと「本当に我が子であるのならば、元の泡へ戻れ」と唱えました。すると子どもはたちまち泡となって消えてしまったという伝説が残っています。
子どもを消してしまうという昔話にしては残酷な噺ですが、この伝説とは別に平安時代の僧侶「仲算」が岩を削って湧き水を発掘したという伝承も残っています。
西行水の風景
中山道を西へ向かって歩いていくと、西行水の看板があります。湧き水が出ている周囲は公園のように整備されています。
岩の間から綺麗な水が湧き出ています。目で見てわかる澄んだ水です。石の塔やお地蔵様が祀られています。
すぐ隣には水琴窟があります。西行水の水をすくってこの岩場に流し入れると、澄み切った癒やしの音が聞こえてきます。
夏場でも水温は14度前後ととても冷たく、清らかな水流の中には魚も泳いでいました。
ペットボトル程度でしたら水くみができます。
※そのまま飲用水としては不向きで煮沸する必要があります。
おわりに
少し隠れた場所にあるので、醒井を訪れても知らないまま帰ってしまう人も多いと思います。醒井を訪れたら是非西行法師の伝説が残る西行水を訪れてみてください。
湧き水情報
西行水
住所:滋賀県米原市醒井
硬度:106.8mg/L(中硬水)