米原市の春照に1966年に創業された的場たたみ店があります。2020年現在は2代目に受け継がれていますが、初代のお話を聞きたいとお願いした所インタビューが実現しました。
1から事業を立ち上げて独立するという想いは今も昔も共通する所はあるだろうと思い、当時はどんな想いでたたみ店を始められたのかお話を伺いました。
2代目社長のインタビューはこちら
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米原市春照に畳屋さん「的場たたみ店」があります。1966年(昭和41年)に創業され、半世紀以上続く老舗の畳店です。近年、新しい家には畳を使った和室が少なく需要が減っている中、新しい畳の魅力を創出し S ...
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学生時代の事
Q1.子どもの頃はどのような生活でしたか?
小学校、中学校と学校へ行って、私は中学校卒業後、すぐに畳の修行へ出たんです。中学校卒業後すぐに親元を離れて修行に出るのは辛いものがありましたが、6年半住み込みでの厳しい修行でした。修行は私以外に2人いたのですが、とても厳しい修行だったので2人とも辞めてしまいました。
修行中はどんな生活ですか?
住み込みでの修行ですので朝はとても早いです。畳の仕事を教わる代わりに親方や兄弟子さんの身の回りのこともしっかりやらなくてはいけません。掃除やお風呂を沸かしたり、家の事は何でもやりました。
Q2.当時は就職する人、自分で事業をする人の割合はどうでしたか?
それが、自分で事業をしようという者はいなかったです。ほとんどが会社勤めでそれが当たり前でした。
その頃から会社勤めが当たり前だったとは意外でした。
中学校3年生の時には、就職する者、進学する者に分かれていましたね。私はあまり勉強が得意ではなかったもので(笑)
同級生の方に独立されている方はいなかったのですか?
はい、まったくおりません。
なぜ畳屋を始めたのか?
Q3.中学校卒業後すぐに畳の世界へ入られましたが、なぜ畳だったのですか?
私の親父は瓦職人をやっていました。ですが、瓦の仕事は冬はできないんです。凍ってしまいますので。
畳なら雨が降っても雪が降っても室内で仕事できるので、畳屋をしたらどうや?と親父が言い出したんです。
畳屋のきっかけは、親父さんからの提案だったわけですか。
そうなんです。まさか私が畳屋をやるとは思ってもいませんでした。
親父さんも独立を勧めるとは凄いですね。普通は反対な気がしますが。
えぇ、会社勤めよりも自分で独立した方が身に付くものも多いし為になるだろうと。その代わりえらい目にあうよとも言われました。
㊂的場畳店を創業
Q4.修行を終えられた後、現在の米原市に戻られたという事ですか?
そうです。6年半の修行の後、21歳で帰ってきました。
畳屋を始めますって言っても、いきなり仕事を頂けるわけではありませんよね?
えぇ、皆さんほとんど知られてないので、いかに覚えてもらってお客さんをつかむかを考えました。
Q5.どのように知ってもらったのでしょうか?
庭の縁側の戸を開けっ放しにして、畳の作業場を見えるようにして、ここで畳をやってますというのを宣伝がてら見てもらえるようにしました。それが始まりでしたね。
Q6.仕事を頂く為に努力した事はなんですか?
それはきちんと良い仕事をして納めるという事です。いい加減な仕事をしていては絶対仕事は入ってきません。納めた品物が悪かったら2回目の仕事はありませんので。きちんと丁寧な仕事をして信頼を積み重ねていけば、次も頼もうかという事になります。仕事を丁寧にこなすという事を心がけてきました。
そしたらあそこの畳屋良いよとか、口コミで広めてもらえるので徐々に仕事が入るようになりました。それでも2,3年は安定して仕事がなかったので大変でした。
Q7.近くに他に畳屋さんはあったのですか?
米原市だけで13件の畳屋があったんですよ。後継者がいないなど、今ではほとんど辞めてしまわれました。やはり畳は楽な仕事ではないので、年をとってくると厳しい仕事です。
Q8.畳屋さんをやってきてこれは苦労したという事は何ですか?
昔の畳は藁でできていましたから物凄く重かったんです。これを2階へ運ばなくてはいけないのが大変でした。手の骨が変形してしまう程です。
Q9.今は畳の他にも襖や障子など内装工事も行われていますが、どのように始まったのですか?
畳の仕事でお客さんの家に行かしてもらうと、「襖も傷んでるのだけど…。」という声を頂く事が多かったんです。そういう事から畳と一緒にやらせて頂きますよと始めるようになりました。
お客様の要望から始まったんですね。
Q10.座右の銘などはありますか?
「感謝」ですね。お客さんから仕事を頂いてやらせて頂けるのは本当にありがたいなぁと思っています。お客さんには丁寧に感謝の気持ちを伝えるようにしています。
Q11.畳のどんなところが好きですか?
やっぱり畳の上にいると落ち着くんです。日本人に合うなぁと思いますし、畳はえぇなぁと思います。畳のい草の香りは良いですし、体も気も休まるんですよね。今思うと畳屋をやってきて、そして息子が畳屋を継いでくれて良かったなぁと思います。
本日は、お時間いただきありがとうございました。
おわりに
米原市の的場たたみ店創業者である的場登さんに創業当時のお話を伺いました。畳の事業をここまで大きくしてこられた背景には大変な苦労があり、興味深いお話を聴けました。
仕事に対する姿勢はどんな職種にも当てはまるものだと思います。改めて丁寧な仕事を心がけ、感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思いました。
的場たたみ店さんに新しい畳と、襖の張替えを依頼しました。
とても親切丁寧に対応して頂き、良い物を納めて頂けました。
2代目社長インタビューはこちら。
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米原市春照に畳屋さん「的場たたみ店」があります。1966年(昭和41年)に創業され、半世紀以上続く老舗の畳店です。近年、新しい家には畳を使った和室が少なく需要が減っている中、新しい畳の魅力を創出し S ...
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お店情報・お問合せ
畳や障子、襖のご相談など。
(有)的場たたみ店
住所:滋賀県米原市春照853-2
営業時間:8:00~18:00
電話:0749-58-0511
公式Facebook:有限会社 的場たたみ店 - ホーム
公式サイト:滋賀県米原市 | 有限会社的場たたみ店 | 畳替え・襖・障子・網戸・内装工事一式・リフォーム