伊吹山の麓から中腹まで続く白い歩道橋のようなもの。米原市に住む人であれば昔からあるものなのでお馴染みの物ですが、初めて伊吹山へ訪れた人は驚かれるようです。
Google マップにもその存在が記されている、あの白い歩道橋のようなものは何なのか?それは人が通る歩道橋ではありません。
伊吹山へ続く白い通路の正体
結論から言えば、その正体はベルトコンベアです。白い歩道橋のようなものの行先を眺めてみると、伊吹山の左側の山が削れている部分(採石場)に続いているのがわかります。
つまり伊吹山の採石場で採れた石を、2.7kmに及ぶベルトコンベアに乗せて延々と麓まで運んでいるのです。
どこへ運んでいるのかと言えば、1952年に創業した大阪セメントの伊吹工場です。伊吹山は石灰岩が豊富な地質であり、セメントを作るにはうってつけだったのです。
そのセメント製造の伊吹工場は2003年に廃止されセメント製造業務は終わりましたが、2003年以降は近江鉱業株式会社が受け継ぎ採石業務のみ行われています。
白いベルトコンベアは大阪セメント伊吹工場が廃止されて以降使われていないものだと思っていましたが、まだ動いているんです。
何故長いベルトコンベアを作る必要があったのか
どうして伊吹山まで続く長いベルトコンベアを作る必要があったのか不思議です。トラックやダンプで運べば良かったのではないのかなど。
色々聞き込みをしたり調べてみたのですが、1952年当時には今あるような大きな道はなくダンプが通れるような道はなかったようなのです。その為伊吹山まで直結のベルトコンベアを作ったのだろうと。
そうすると、次は一企業があれほど長いベルトコンベアを作れた事が不思議に思います。伊吹山まで多くの田んぼや宅地を横断してベルトコンベアが続いています。一企業がそんな事ができたのか…、出来たのだから今存在しているんですけどね。
聴いた話によるとベルトコンベアの建設には莫大なお金が使われたようです。建設費の他、土地の売買、貸し借りにも。
おわりに
伊吹山へ続く白い通路が何か不思議に思われる方もいらっしゃるようなので、紹介させて頂きました。白い歩道橋のようなものは石灰石を運ぶ為のベルトコンベアです。
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