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インタビュー

米原市で寝具製造卸を営む藤田株式会社社長の藤田康秀さん「布団から米原を発展していきたい」

昭和45年から米原市能登瀬の地で寝具の製造卸業を営む藤田株式会社の代表取締役社長、藤田康秀さんと社長の奥様に米原市で作られている布団についてインタビューさせて頂きました。

実は米原市多和田の地域では、元来真綿の地場産業が盛んで他の場所では真似できない高品質な真綿布団の産地でした。しかし海外製品の価格競争により地場産業も下火になり、藤田株式会社では布団のありかたをもう一度見直し、日本人にとって心地よい布団作りに挑戦を続けていらっしゃいます。

布団を通じて米原から世界へ発信し米原を発展していきたいと語る社長に、寝具にかける情熱や布団のプロならではのお話を伺いました。

藤田株式会社について

昭和53年、先代の藤田昇さんが近江町(現米原市)で寝具製造卸売業を個人事業主として創業されました。平成元年に藤田株式会社として設立し、ここから歴史が始まりました。

業務内容は布団の原料の仕入れ、原料の販売(原料商)、布団の生地・側販売、布団の製造・販売、製品出荷。原料仕入れから加工、出荷まで川上から川下まで1社で行っています。現在年間約50万枚の布団を製造されています。

社長プロフィール

藤田康秀さんは大学卒業後、金融業界に就職されました。金融業界で働くうちに、お金の動きや商売の面白さを知る事になりました。そして結婚を機に地元米原市へ帰り、2016年に藤田株式会社の2代目社長に就任されました。

Q1.藤田株式会社はどんな業務内容ですか?
業務内容は寝具製造卸売です。布団の原料である生地や原綿を仕入れて布団に加工しています。日本製の布団、中国製の寝装品を企画・製造し、全国の量販店、ホームセンターへ問屋を介し卸しています。また弊社は生地や原綿を全国の加工業者さんに売る原料商もやっています。
ようするに色々な所から布団の原料を仕入れて、藤田株式会社で布団に加工され出荷されるという事ですね。
そうです。海外でオリジナルの柄で生地をプリントし、原反・側を入荷し、生地売り、側売りを行っています。特に弊社では日本製に力を入れています。敷布団の中材でもある固綿も自社で作れるので、質の良い日本製を日々生産し、北は北海道、南は沖縄まで全国に出荷しております。つまり原料仕入れから加工、出荷まで全部やってます。
Q2.藤田株式会社はどんな会社ですか?
弊社の社員は寝具製造業界全体で見ると40代前半で結構若い方なんです。高校卒業後から入社している社員もおりまして、かなりベテランです。各々全国のお客様に対して責任を持ち、自分の仕事にプライドを持って仕事に取り組んでいる方が多いです。真面目にコツコツと、とても優秀な人達が集まっているという実感がありますね。一人でも欠けると困ってしまいます。後続がいないというのが課題ですね。
新人さんがいらっしゃらないという事ですか?
女性はいるのですが、なかなか男性はいなくて。弊社は力仕事が多いんです。
布団を担いだりするのでかなり体力が要るんですよね。
多い時は1週間連続でコンテナ搬入で入荷があったりしますし、更に布団は意外に重たいんです。1枚単位では軽いですが、ケース単位になると最大で30kg弱はあります。
私も経験ありますけど、体力的にきついですよね。奥様もやってらっしゃるのですか?
私は絶対やれないです。倒れますね(笑)
Q3.先代が布団の製造卸売を創業されたそうですが、どんなきっかけだったのでしょうか?
先代は私の父で現在会長ですが、京都の大学へ行っていました。その時に旧近江町多和田の布団屋さんでアルバイトをしていたんです。朝に布団をトラックにいっぱい積んで、京都で下ろし、大学へ行くという事をやってました。そのうち自分でお金を稼ぐという事が面白くなってきたみたいです。

また、旧近江町は寝具製造業が密集しており、地場で働くにはタイミングも良かったんじゃないですかね。

布団のアルバイトがきっかけだったんですね。
多分ね。当時はコンビニでバイトするような所もなかったので、それしかなかったんだと思います。詳しく聞いたことはありません(笑)
Q4.主力商品はなんですか?
主力商品は敷布団と掛け布団、夏は肌布団がありますね。日本製のみで年間約50万枚くらい製造しています。中国製を入れたらもっとありますね。だいたい国産が7割、中国製が3割です。
Q5.布団はどのように販売しているのでしょうか?例えば自社で作った商品を販売するとか、オーダーメイドとか。
オーダーメイドが多いですね。寝具の基本はほとんど同じですが、こういうサイズ、スペックでうちの会社専用の布団商品を作ってくださいという注文が多いです。
自社製品も作っていらっしゃるのですか?
はい、私が考案した6層敷布団「琵琶」は完全オリジナルの商品です。ふるさと納税の返礼品にもなっていますし、オリテ米原でも販売しています。

お客様からご依頼頂いた商品を作っていたり、オリジナル商品も作ってますし、基本的に布団に関してできない事はないと事が弊社の強みです。

fujita futon の魅力

Q6.一番のおすすめ商品は何ですか?
それはやっぱりふるさと納税の返礼品にもなっている6層敷布団「琵琶」ですね。産まれ育った米原市にお金を使ってほしいので(笑)
6層敷布団「琵琶」の特長や魅力ポイントを教えてください。
布団の中が6層になっていて15cmの厚みがある事が一番の特長ですね。近年のご家庭では和室がなくなってきていて、畳の部屋で寝られる方も減ってるんです。ベッドも増えているので。どこで寝るかといったらフローリングの上で寝られる方が多いんですよね。フローリングの上は硬いので、ある程度厚みがないと底付き感があったり腰が痛くなる事もあるんです。そこで考案したのが6層敷布団で15cmの厚みがある布団なんです。
普通はどれくらいでしたっけ?
一番しっかりしている布団で5cm~8cm位の厚みです。15cmあるとマットレスも必要ありません。
ウリはその分厚さですね。あと、全部国産ですよね。
国産ですね。また、生地と中綿には抗菌防臭加工を施しています。SEK 基準に合格した抗菌防臭機能を備えた商品です。
※SEKとは、繊維製品新機能評価協議会が抗菌防臭加工品について、効果・耐久性・経口毒性・皮膚刺激性を審査し一定の基準をクリアした加工品に対して、その品質を保証するマークです。
フローリングに直接敷くと湿気るんじゃないですか?
フローリングだと布団は100%湿気ますし、100%カビが生えます。それはどうやっても止めることはできないんです。例えば除湿シートを1枚敷くとかスノコの上に敷くという対策が必要です。あとは万年床は布団に良くありませんね。
※万年床とは布団を敷きっぱなしにしておく事。
布団って起きたらゴロンと折り曲げておくだけで乾くんです。これをやらないと絶対カビが生えます。
うちもそれをやってから全然カビてないですね。
布団を押入れに片付けるとなると大変で面倒ですが、ゴロンと掛け布団ごと半分ひっくり返すイメージです。また、天気のいい日は天日干しを1時間ほどすると尚良いと思います。
Q7.藤田株式会社で作られている布団はどこで買えますか?
うちで製造して出荷している布団は、全国の大抵のホームセンターや専門店に置いてあります。
一回お店に行って布団売り場に行ってみてください。品質表示の表示者欄に藤田(株)とあれば、弊社の商品です。
実際皆さんが今使っている布団を見たら、弊社の布団かもしれませんよ。
確かに布団のメーカーとかあまり気にしませんね。
そして、弊社のオリジナル布団はオリテ米原メルカリAmazon、大手ふるさと納税サイトで販売もしています。
奥様も fujita futon の布団を使ってらっしゃるのですか?
はい、掛・敷・枕全部使っています。
どうですか、感想は?
結婚前は敷布団も羽毛布団も安いやつを使っていたのですが、弊社の布団はとても寝やすいと思います。1枚で冬でも温かいですし、敷布団は腰が痛くなりませんし、やっぱり違うなぁと思いましたね。

私も6層敷き布団「琵琶」を体験させて頂きました。15cmという極厚の布団は体感的にも全く違って、心地よい感触でした。硬い感触もなく、柔らかすぎず、寝心地の良い布団だと思いました。

琵琶のレビューをしました。

米原市特産品の真綿布団「6層敷き布団琵琶」厚み15cmで上質な眠りを体験【レビュー】

米原市多和田地域は昭和初期より高品質な真綿布団の産地として栄えました。現在も米原市の地場産業を守り、真綿布団の製造卸売業を営まれているのが藤田株式会社です。海外製品の価格競争により地場産業も下火になる ...

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布団のお手入れについて

Q8.布団のお手入れについておしえてください。
天気の良い日に両面を1時間弱くらい天日干ししてもらうのが一番良いと思います。真夏の40℃いくようなカンカン照りの日だけ避けてもらえれば問題ないです。
直射日光はあまり良くないという情報も見たことがあるのですが。
それは生地が焼けて色褪せてしまうので、そういう表現になっていると思います。実際色褪せてもモノは変わらないので、本当はカラッと晴れた日に天日干しするのが一番です。

基本的に敷布団は洗えないので、もし汚れたらつまみ洗いしてください。

Q9.布団ってどれくらい保つものなのでしょうか?
布団は2年で買い替えがベストです。どうしても洗えない分皮脂汚れが付きますし、毎日使うものですから衛生的にも悪くなってきます。
掛け布団はどうなのですか?
掛け布団は洗えるものが多いですが、羊毛の布団は洗わず干した方がいいです。掛け布団も2~3年で買い替えがベストかなと思います。

羽毛布団は7~8年保ちますが10年以内には買い替えですね。どうしても中の羽の繊維が切れてきます。これが温かさにも直結してくるんです。

社長の生い立ち

Q10.子どもの頃から布団の世界を見てこられたと思いますが、当時から布団の世界へ行こうと思っていたのですか?
全然そんな事ないです。大学卒業後は銀行に就職したんです。銀行で色々な会社を見てきて、商売って面白いなという事を知りました。それが会社を継ごうと思ったきっかけかなと思います。
先代から継いで欲しいというお話はなかったわけですか?
全くなかったですね。おまえは好きな事をやっていけばいいと言っていました。
それで最初は金融業に行きたかったのですか?
そうですね。大学が経済学だったので、金融業に行こうとは思っていました。就職活動に悩んだ時、候補が銀行か商社か証券マンの3つだったんです。先代の父に相談したら「商社はある日突然海外転勤もあり得るし、それなら社会の血流が見れる銀行が一番いい。」と言われたので、銀行に行きました。
今は社長に就任されましたが、大学が経済学部だった事で経営の事も学んでいたわけですね。
そこまで本格的にやったわけではないので、今でも勉強中です。更に金融業から繊維業で全く異なる業種ですから、わからない事ばかりでした。最近ようやくわかってきましたが、まだまだ勉強中です。弊社独自のカラーを存分に出して唯一無二の存在になれるよう挑戦していきます。
Q11.人間にとって布団はどういうものだとお考えですか?
布団は絶対なくならないものだと思いますし、衣食住の重要な要素の一つです。ただそこにおごることなく、地場産業と国産の良いものをずっと大事に残していかなくてはいけません。無くさないようにしっかりと良いものを作っていかなくてはいけないと思っています。失敗を恐れず、何事にも全力で挑戦し100年企業を目指していきます。
本日はありがとうございました。
ありがとうございました。

工場見学をさせて頂きました。

布団の製造工程は一般的に見る機会がないものです。社長のご厚意により藤田株式会社のこだわりの製造工程を見学させて頂きました。

こちらの工場で布団の製造・加工・検針を行っています。

多針キルトを作っています。三層の敷布団に使います。弊社オリジナルの「近江」「伊吹」はこのミシンを使います。

これは NC ミシンで布団にキルト加工を施しています。キルト加工とは布団にひし形や正方形に縫製する加工の事です。キルト加工により中綿の偏りを防ぐ事ができます。

キルト仕様をプログラミングする事によって様々なキルト加工を施すことができ、お客様に合った仕様の布団を作る事ができます。

弊社オリジナルの「琵琶」はこの NC ミシンを使っています。

こちらは手動ミシンで縫製を行っています。手動なのでまっすぐに縫製するのも至難の業です。職人レベルのベテランにしか扱えない作業です。

おわりに

米原市の寝具製造卸業の藤田株式会社社長、藤田康秀さんに布団のプロならではのお話を伺いました。米原市の地場産業で全国的な寝具産業がある事は知らなかったので、大変驚きました。藤田株式会社で製造されているオリジナル布団はオリテ米原Amazon などインターネットショップで販売されています。気になる方は是非チェックしてみてください。

お問合せ

藤田株式会社
住所:滋賀県米原市能登瀬能登瀬160-2
電話:0749-54-2811
公式サイト:藤田株式会社は滋賀県米原市の多和田地区から上質な心地よい布団を製造しています。

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