湿原ってどのようなイメージをお持ちでしょうか。湿原と言えば湿地帯で大自然の中珍しい植物や生き物を観察しながら、木道を進んで散策するというイメージを持っていました。やはり湿原と言えば長野で、湿原散策が好きで長野旅行へも行ったくらいでした。
そしてもう一つ湿原と言えば、かなり山奥にあってたどり着くまでに市街地から車で1時間から2時間、徒歩で山道を1時間くらい行かないとたどり着かない大自然の秘境というイメージもあります。
そんな湿原が滋賀県にも存在していたことにとても驚きました。米原市にある山室湿原は、長野県ほどの規模はありませんが山道を何時間も歩く必要はなく手軽に行ける湿原でした。本当にまさか、こんな所に湿原があるとは思ってもいませんでした。ただ、Google マップでたまたま山室湿原という名前を目にした事で存在を知ったのです。
山室湿原は2万5千年前よりできたと言われ、今でも昔のまま自然が残っています。東海道新幹線ができた頃に存続の危機が訪れましたが、ルートから外れ湿原が潰されずに済みました。
山室湿原へのアクセス
山室湿原は滋賀県米原市にあります。最寄り駅は JR 近江長岡駅で徒歩1時間くらいです。バスもほとんど通っていませんので電車で行くのは現実的ではありませんね。
自動車の場合、北陸自動車道の米原ICより降りて車で約15分です。米原IC口交差点を西へ、高速道路と交わった後の角を北へ進みます。川を2つ渡った先の小さな交差点を東へ進み道なりです。
観光地として標識に案内看板も出ておらず場所もわかりにくいです。
道端に黄色い小さな看板があるのみです。この黄色い看板に従い、田んぼが広がる細い道を北へ進みます。
駐車場について
駐車場という駐車場はないのですが、新幹線の高架の手前に整然と停めてくださいという案内が出ています。
路肩にちょっとしたスペースがあるのでここに停めます。乗用車が4台でいっぱいいっぱいですね。そんな観光客がひっきりなしに訪れるという所でもありません。
山室湿原までのルート
駐車場から山室湿原まで徒歩で約10分程度です。山を登ることもなく、散歩レベルで行く事ができます。新幹線の高架を抜けるとまっすぐな農道が続いています。舗装されていますが、途中から舗装はなくなります。
山の近くまでくると Y 字路に到達しますが、ここでは右へ進みます。
こちらが山室湿原へと続く林道の入り口です。柵がしてあるので立入禁止のように見えますが、これは獣よけの柵です。
鍵はありますが南京錠のようなものはなく、簡単なカンヌキ鍵を外せば開きます。中に入ったら隙間から再度閉めましょう。
ここから林道が続きますが、ここまで来れば山室湿原まで50mです。すぐに着きます。
あっという間に湿原の入り口に到着しました。
湿原散策の注意事項
入り口には湿原散策の注意事項が書かれた看板が立っています。どこの湿原でも同じような注意事項です。
- 靴底は綺麗にしてください
- 湿原の植物や動物を採らない
- 木道のみを歩き湿原に足を踏み入れない
湿原の入り口にも柵があり入ってはいけないように見えますが、こちらも獣よけの柵です。
こちらの棒を引き抜くと柵が開いて入れます。入ったら再度棒を挿して閉めましょう。
山室湿原の地図
長野にある湿原のような大規模なものではなく、面積は1.5ha程度。普通に歩けば20分程度で1周できてしまうような小規模な湿原です。トレッキングのような重装備も必要ないでしょう。
周回路にはなっていないので、最深部へ行ったら引き返してくる必要がありますね。
鳥が鳴き澄んだ空気の山室湿原へ
あたり一面水が豊かな湿地帯が広がり、大自然を感じる湿原が目の前にありました。
湿原と言えばコレコレ!木材の木道が湿原に続いている光景がとても好きでテンションが上ります。木道の上をトントントンと歩いていくのが好きです。道幅は人ひとり分で、すれ違うのもなかなか厳しいスペース。たまに道が分かれているのでそこですれ違います。(といってもそこまで人はいない)
木道は狭いので、注意していないと足を踏み外してしまう恐れもあります。
湿地帯には色々な植物が自生しています。
湿地帯の赤い植物は何だろう?と寄ってみると食虫植物ではありませんか!これはモウセンゴケという植物で名前の通りコケの一種。虫を捕獲して食べる植物です。
花畑のように花が咲き乱れているわけではありませんが、時折湿原に花が咲いています。
湿原を流れる水はとても澄んでいて綺麗でした。たくさんの魚が泳いでいて、魚影もはっきりと地上から見えます。水が流れる音も聞こえてきて癒やされます。
昆虫たちも生息しています。妙に小さな赤とんぼがいるな。赤とんぼの子どもかな?と思ったらこれはハッチョウトンボといって日本一小さなトンボとして知られる種でした。絶滅危惧種にも指定されているとても珍しいトンボです。確かに日常では見かけないトンボでした。
この青いトンボはたまに見かけますね。オオシオカラトンボ?
山室湿原には最初のエリアを抜けると更に奥へ続く道があります。ここからはあまり人が通っていないせいか草が生い茂っていました。
険しい山道を歩いているのと変わりありませんが、木道があるおかげで楽に進めます。
最深部の湿原に到達しました。
こちらは見たことがない黄色い花がたくさん咲いていました。
おわりに
米原市に長年住んでいる私も今まで知りませんでした。山室湿原は貴重な植物や昆虫が生息していることから米原市の天然記念物として指定されている湿原です。長野に行かなくても湿原散策ができます。山道を何時間も歩かなくても良いので手軽に湿原散策を楽しめるスポットとしておすすめです。